大嫌いだって愛しい




「そういうあんたは、爽龍の橘ひかるだろ?」




ポケットに手を入れながらニヤリと骨格を上げる多田 晃





いったい何を企んでるのだろうか




今まで姿を現さなかったのに何故今 顔を出したのか…





「あんたの目的は何?」



私は多田を睨むと




「別に、じゃあ俺らは退散するか」





後ろを向いて歩き出した。




「ちょっとまってよ!!」


「またな、橘」




“またな”



その意味を私はまだ
分かっていなかった。