大嫌いだって愛しい





私の頬に軽くかすれたナイフ



充さんは一瞬目を見開いたけれど


その表情はすぐに戻って


いつもより怒りを含んだ低い声へと変わった。




「なぁ久能、お前なんも分かってねーな」



そう言った充さんは骨格を上げ一歩づつ近付いて来る




「それ以上近付いたら、お前の大事なこの子の顔傷付けるぞ!!」




そう久能が言った瞬間
充さんは凄いスピードで私の前まで来ていた。



「やっぱり何も分かってねー。」




充さんは私の頬からナイフを外すと

ナイフを握ったままの久能の腕を掴み



自分の頬へナイフの刃を当て一気に下へと引いた。




「殺されるのはてめーだ。久能」