大嫌いだって愛しい




ただひたすら泣く私の声は廊下に響いて




その声を押さえ込むようにして尚也が私を包み込んだ。




「…優か」




そう小さく呟いた尚也の声は、私には聞こえなくて



その時どんな表情でどんな気持で尚也が私を抱き締めていてくれてたかなんて知るよしもなかった。




自分だけが傷付いている

そう錯覚を起こしていた私は




どこまで馬鹿だったのだろう。