大嫌いだって愛しい





「……」


多田は本気で言ってるのだろうか




本当に私の事が好きなのだろうか





そう思った私だけど



隣で私を引き寄せる多田の横顔があまりに真剣で


喉まで出たその言葉を
私は言うことができなくなった。




「…わかった」



そう小さく発せられた声は



目の前の武藤からで



彼が何を分かったのか知らないけれど



それだけ言い残し
リビングを出て行ってしまった。