「ねぇ、たくや。私ね…たくやのことあまり思い出せないや。」

詩織の記憶喪失が明らかになったのは、交通事故に合った日から一週間が経ったある日のことだった。

『詩織…』
「顔と名前と…家が近所なのは思い出せたの。けど何だろう…。私達の関係が分からない。」
『俺らは幼なじみだよ。よく遊んでた。』
「そう…それから?」