「……いい加減諦めたら?」



私は愛刀をきつく握り締め、相手に斬りかざす。

言うまでも無く、ここは裏の世界で―――


私、【銀 桜華】は″任務〟という名の下で動いていた。
仲間は作らない、そっちのが楽。


「…た、助け…ぎゃぁぁぁ!!!」


ぴしゃ、
私の顔の右半分に血が飛んだ。

目に―――入ったかもしれない。
既に右目はこの仕事のせいで失明している。
今も包帯を右目に巻いている。


でも――――

「さようなら、哀れな標的さん」




 右目も左目も真っ赤に染まった紅なんだ。