彼の怒鳴り声にびくりと身を震わせながらも、彼女は和らかく微笑み話を逸らす。
「何もないわ、貴方が心配するような事は。処で、旅の話を聴かせてくれる?外はどんな所だったの?」
「何故ですか……何故何も話してくれないのです……?私はそんなに頼りないですか……?」
悲しそうに言うジーク。
そんな彼の瞳を見つめ、胸を痛めながら彼女は彼へと手を伸ばす。
細い腕は鉄格子の間を通り、冷たい掌は彼の頬へ触れた。
「貴方はとても頼りになる人よ。だって貴方は、何時も私を護ってくれた。何時も私の傍にいて、見方になってくれた。
私はね、そんな貴方の幸せを一番に願ってる。だからーー」
そんなに悲しい顔をして、彼女は何が言いたいのだろう…
頬に添えられたら手に触れようとしたが、触れる前に彼女の手は離れ、彼から遠ざかっていく…
「貴方を破門します。ジーク・ブロッガー」
「……え………?」
ラグナー家の執事の証であるバッジを奪った彼女は真剣な面持ちでそう言った。
突然の出来事に冗談は止めてくれと微笑むが、彼女は本気のようだ。
「お待ち下さい!どういう事ですか!?」
身体の痺れすら忘れ、彼は立ち上がり彼女に問うが、彼女は何も答えてはくれない。
もう関係がないのだから出て行けと言う。
しかし彼が納得する訳もなく、説明しろと何度も訴えた。

