焦っている執事を不信に思いながらも、兵士は急いでいるのか一階へと向かい姿を消した。
「はぁ……」
4人を見送り一安心した彼は深く息を吐き、辺りに誰もいない事を確認するとそっと扉を開く。
「誰です、貴方……?」
「あ、僕は新人のーーって、自己紹介してる場合じゃありません。付いてきて下さい」
部屋に押し込まれたジークは危険な所から救ってくれた彼に疑問を抱く。
侵入者である自分に何故手を貸したのか、彼は何者なのか、様々な疑問を抱くが、目の前の彼は再びジークの腕を掴むと急いで部屋を出た。
前を歩く彼はカイリと名乗り、先日雇われたばかりの執事だと言う。
雇われて早々、シェノーラの傍に付くように言われ、試行錯誤しながら彼女の世話をしているようだ。
「突然の事で申し訳ないのですが、シェノーラ様を救っては頂けないでしょうか?」
辺りを警戒しながら進む彼は突然そんな事を言い出した。
シェノーラの事を心配している様子の彼。
悲しそうな顔をする彼は悪い人ではないようだ。
「もうこれ以上、彼女を見ていられなくて……
シェノーラ様と親しい貴方なら、きっと彼女を救ってくれる。貴方しか頼れる方はいないのです」
自分がいない間に何かあったのだろうか…
彼女と離れていた時間が長すぎたと後悔していると、いつの間にか目的の部屋にたどりついていた。
扉の前に立ち身だしなみを整えていると、カイリはジークに頭を下げ廊下の端で見張りにつく。
「失礼します」
扉を叩き部屋に入ると頭を下げる。
窓が開いているのだろう、ふわりと柔らかな風がジークの髪を揺らした。

