首を絞められ、普通ならその手を振り解こうともがき抵抗する。
しかし、虚ろな瞳の彼女は抵抗の1つも見せる事はない。
「お止め下さい!ローグ様!」
様子を伺いに来た侍女がその光景を目に慌てて止めに入る。
「黙れ!」
シェノーラの首を締める彼の手を解こうとするが、女の力ではかなう訳もなく、ローグは侍女を突き飛ばす。
壁に身をぶつけた侍女は床に座り込むと、もう止める事はできないと頭を抱えた。
「シェノーラ……お前は私のものだ………」
先程よりも力強く首を締めるローグは顔色一つ変えないシェノーラを見下ろし呟いた。
「……っ……ぅぅっ………」
今まで何の抵抗も見せなかったシェノーラだったが、あまりの苦しさに意識を取り戻した彼女はじたばたと暴れ出した。
首を締めるローグの手の甲に爪を立て、それでも離さない彼の顔に手を伸ばし頬を引っ掻いた。
首を締める力が緩んだ瞬間に彼を突き飛ばし、ベッドから転げ落ちると必死の思いで床を這い彼から逃げる。
痛む頬に手を当て怒りを露わにしたローグは、騒ぎに駆けつけた兵士の剣を奪うとその剣を高々と掲げた。
そしてその刃は床を這う彼女の足首を斬りつける。
「ぅっ……!」
両脚のアキレス腱を斬られた彼女は悲鳴をあげる事はなく、苦痛に顔を歪めながら動きを止めた。
血を流す彼女を抱き起こし胸に抱くローグは優しく頭を撫でる。
「お前は私のものだ。私だけのものだ」
言い聞かせるように耳元で囁かれ、彼女は身を震わせ何かから逃げるように目を閉じる。
ぎゅっと瞑った瞳からは堪えていた涙が零れ、青白い頬を伝っていく。
もう彼からは逃げられない…
そう実感した瞬間だった…

