直ぐに助けようと錠に鍵を差したシェノーラは、何の迷いもなくそのまま鍵を回す。
カチリとロックが解除された瞬間、彼女の頬に何かが飛んできた…
一瞬何が起こったかわからなかった彼女…
顔を上げ牢の中を目にした瞬間、彼女は目を見開いた…
牢の中で揺れる斧…
斧の先から零れる赤い雫…
目の前に座っていた侍女の身体は真っ赤に染まる…
首から上がない侍女の姿…
目の前に転がる侍女の頭部…
床一面に広がる血だまり…
全てを目にし後退りするシェノーラ…
震える脚は段差に躓き尻餅をつくと、彼女の足元に生暖かい血液が迫る…
リリアが死んだ…
リリアが殺された…
誰に…?
誰…?
私…?
私が、殺した…?
私が…
私が、リリアを…
リリアを、殺した…
息ができない…
吐き気がする…
何も考えられなくなった彼女は頭を抱え悲鳴をあげる…
暗闇が占領し静まり返っていた屋敷の中を、彼女の悲痛な叫びが木霊した…
「今じゃ精神崩壊。心此処に有らずって感じだよ」
「あんな形で信頼してた侍女を失ったんだ。仕方ないだろ」
「しかしローグ様も酷いお方だ。あんなやり方はな……」
不満を抱く彼等だったが、廊下を曲がった所で兵士は言葉を止めた。

