一階のキッチンではフィーヤが1人料理を作りコウガ達に食事を振る舞っていた。
「此処はね、シェイラが何もかも忘れて、普通の少女として過ごせる唯一の場所。常に国民の幸せを最優先に考える彼女が羽を休める場」
料理する手を止める事なく話す彼女は、シェノーラの事をシェイラと呼び、彼女とは幼い頃からの知り合いで親しい仲だという。
「だから此処は彼女の信頼した人しか入れないようにしてるの。と言っても、その面子はたったの4人。
彼女と、常に彼女の側に付く執事、隣国の年上の王子と、幼い頃の彼女を知る私。この4人だけなんだけどね」
手際良く作業をこなす彼女は出来立ての料理を3人に出す。
料理を受け取りコウガは頭を下げ、猫舌なレオンは息を吹きかけながら料理を冷ます。
遠慮なく料理を頬張るクレアは話を聞いているのか不安であるが、美味しそうに食べる彼女の様子に作りがいがあるとフィーヤは喜んでいた。
「処で、シェノーラってこの国の貴族なのか?」
水を一口飲んだレオンはフィーヤに問うと、彼女は手を止め驚いたような顔をした。
「え?何も聞いてないの?貴方達何も知らずに此処に来たの?」
彼女に顔を近づけられ問われるコウガは身を引きながら頷きレオンに助けを求めるが、は目を反らし知らぬふりをするレオン。
助けを失ったコウガは頷く事しかできずにいた。
「シェノーラ・フィール・ラグナー。小国ながらも平和で恵まれたこのスウィール国の現王女。
屋敷に閉じ込められた今の彼女はただの御飾りだがな」
コウガ達の疑問に答えるように聞こえた男性の声。
その声の主は階段を降り姿を現した。
「レグナード・ディ・ルーガン。隣国ラグナレア国の時期王子」
フィーヤは姿を現した金髪の男性の名をコウガに耳打ちする。
レグナードは3人に挨拶すると奥のテーブル席に腰掛けた。

