東の空に朝陽が姿を現し、静寂な時の流れるこの町全てを暖かく包み込む。
青空を優雅に羽ばたく小鳥達。
その内の数羽の小鳥は、ある宿の窓辺にて羽を休める。
「…ってて……」
派手な音に次いで掠れた声の響く部屋。
顔を歪めながら額をさするレオンはベッドから転げ落ち目を覚ます。
「…ハァ……」
胡座をかき頭をかく彼は大欠伸をしながら伸びをする。
寝ぼけているのか辺りを見回すと、半開きの目を擦りながら部屋を出た。
廊下に出たレオンは隣の部屋から仲間の気配を感じ、ノックもなしに扉を開く。
「おはようございます、レオンさん」
「…ん…はよ……」
部屋に入って来た人物を目にし、にこやかに挨拶するのはシェイラ。
窓から漏れる朝陽を背に、彼女は優雅に紅茶を口へと運ぶ。
「まったく、挨拶位きちんとできないのですか、貴方は」
「げっ……」
欠伸をしながら挨拶を返すレオンに注意するジーク。
知らぬ内に背後に立つ彼に驚き、嫌な顔をしながら其処から逃げるように移動する。
「あからさまなその態度、いくら私でも傷つきますよ?」
「傷ついているようには見えないが?」
避けられた事に不服な様子のジークだが、言葉とは裏腹にヘラヘラとおどけた表情で笑って見せる。
そんな彼に対しもっともな意見を口にするレグルはくわえた煙草に火をつける。
立ち上る煙を窓の外へと流すが、五感の鋭いレオンは微かに部屋に流れる煙を嗅ぎ咳き込んでしまう。
レグルはすまないと彼に謝ると、まだ長いそれを灰皿に押し付けた。
「よく朝っぱらから煙草なんかが吸えるよな」
「それを言うなら彼女の方だろ」
顎で示す先へと顔を向ければ、其処にはソファーに腰掛けるクレアの姿。
膝を折り縮こまるように座る彼女はカップアイスを食べていた。
「ハァ……」
「……」
呆れたレオンは溜め息を吐くが、クレアは気にする事なくアイスを頬張った。

