Blood†Tear


部屋が騒がしくなり、やっと目を覚ましたレオン。


彼は何が起きているのか理解できず、間抜けな顔で辺りを見回す。


痛む身体に数日前の出来事を思い出し、状況を把握しコウガを見上げるが、コウガは何も言わず彼を連れ部屋を静かに出て行った。



そして2人は階段を登り、二階の部屋の扉をノックする。



数秒待つが返事はなく、もう一度ノックすると扉を開く。



部屋の様子を伺うと、開いた扉を睨む赤い瞳と目が合った。


既に目を覚ましていたようだが、返事をしなかった彼女クレア。


彼女らしいと言うか何と言うか、鋭い瞳で睨まれ苦笑いしながら部屋に入る。




隣には、穏やかな寝息を立て眠るイースの姿。

慣れない力を使い過ぎ、身体が休息を求めているのだろう、深い眠りについているようだ。






 「とんだざまだな」


 「…黙れ、ワーウルフ……」


ギプスで固定された左脚に腹部に巻かれる包帯。

痛々しいその姿を見下ろし貶すレオン。

そんな彼に食らいつく彼女は元気な様子。





 「お前、この状況をわかってないだろ」


自由に身動きの取れる彼に対し、ベッドの上から動けないクレア。

無闇に身体を動かすと、傷が開く恐れもある。


嫌みに笑う彼の言葉の真意がわかり、悔しそうに彼を睨む。


そんな彼女を勝ち誇ったように見下ろすが…






 「グッ……コウガ、お前!」


 「いい加減にしろ」


隣に居たコウガに鳩尾を突かれ膝を折るレオン。


的確に突かれた鳩尾を押さえ、痛みに耐えながら声を荒げる彼の頭を更に小突くと黙らせる。






 「大丈夫……じゃないよな……」


冷静に対処した彼はクレアに声をかけるが言葉を詰まらせる。


身動きの取れない怪我人の彼女には、その言葉は相応しくなかった。