瀕死状態の所を救われ、駄目になった左目に義眼をつけてくれたと話すセルビア。
「この瞳が疼き、何かに引きつけられるように此処へ来てみれば、塔の下敷きになり瀕死状態の君達を見つけてな。仕方なく救ったという訳だ」
感謝しろと嫌みに笑うと広げていた本を閉じる。
命の恩人である彼女に礼を言うと、彼女はコウガの居るベッドに腰掛けた。
「他の3人を知らないか?銀髪の女性とピンクの髪の少女、後、藍色の髪の男性なんだが」
「銀髪の女とピンクの髪の少女なら二階だ。男は其処に居たのだが、君より前に目を覚ましてな、礼も言わず出て行ったよ」
クレアとイースは二階、ジークも此処に居たと言う事は、皆無事だったという事。
ほっと息を吐くと、何も言わず勝手に出て行ったジークに腹を立てている様子のセルビアと目があった。
「もう5日目だぞ。力ずくで起こしにかからうと思った所で、運悪く君が目を覚ました。本当にタイミングが悪い」
早く起きて欲しいのか起きて欲しくないのか、よくわからない彼女の言葉に苦笑いすると彼女は寝そべった。
浮いた足を遊ばせるセルビアだが、何か思いついたのか反動をつけ起き上がる。
「そういえば、彼女も左目を負傷しておったな。我と同じよう、義眼を造ってもらってはどうだ?」
「彼女?」
提案するように言うセルビア。
そんな彼女の言葉に疑問を抱き訊ねてみると、彼女は前方へと目を向けた。
「エメラルドの髪をしたあの少女だよ」
窓辺のベッドで眠る人物を指差す彼女。
リオンの事を言っているようだ。
左目に眼帯をする彼は確かに女の子のような可愛らしい顔立ちををしている。
しかし彼は男であり、セルビアとは深い仲だった。
そんな彼の事さえも彼女は忘れてしまったのか。
最近知り合ったばかりの自分の事を忘れるのは仕方ないとは思っていたが、リオンの事まで忘れてしまうとは。
実の姉を目の前で失い、今にも崩壊しそうな精神状態の彼がこの事を知るのは避けたい所だ。

