神の瞳で視る事のできなかった攻撃を繰り出したコウガに信じられないと口を開けるシエン。
彼女は走る激痛に耐えながら銃声の響く方へと顔を向けた。
「…ギル、右手から障害物。上空からの攻撃の後背後……否、右……」
「シエン……?」
その声に銃を持つ男は、右から物凄い勢いで飛んでくる瓦礫を銃で打ち砕きながら疑問の声をあげる。
チラリと彼女を盗み見上空に銃を構えると引き金を引く。
瓦礫を投げつけたレオンは高々と飛躍。
数発の銃弾を難なく交わすと男の後ろに着地し回し蹴り。
その蹴りを男は銃で弾くと咄嗟に引き金を引く。
しかしその弾はレオンには当たらず床に穴を開けた。
こんな間近でも避けきれるのかと驚いていると、銃を握る手を掴まれ捻りあげられる。
不覚にも銃を手放してしまうと、男は声をあげる間もなく床に押さえつけられ身動きがとれなくなってしまった。
男に馬乗りになり両手を抑えるレオンは勝ち誇ったように微笑みながら、頬を伝う血を拭う。
「…そん、な……っ……ぅぅ……」
目を見開くシエンは後退ると、髪をぐしゃりと掴み頭を抱え込んだ。
痛みを増した激痛に耐えきれず、悲痛な叫びをあげながら座り込む。
彼女の頭の中に流れ込む未来と過去。
様々な映像が一気に流れ込み、対応できない彼女の身体は悲鳴をあげる。
「シエン……」
頭上から聞こえてきた聞き覚えのある声に、激痛に耐えながら瞳を開ける。
その瞳に映るのは、螺旋階段を降りてくるエメラルドの髪の少年の姿。
「…リオン……お前かーー!」
憐れみを含むグレーの瞳で見下ろされ、彼を睨むと憎しみの籠もった声で怒鳴るシエン。
彼女はこの激痛は彼のせいだと勘違いしているようだが、少年は否定の意味を込め首を横に振った。

