最上階へとたどり着いたイース。
ぶつけた頭を抑えながら立ち上がると、急ぎ足で部屋の前へと移動する。
そっとドアを開き中の様子を伺うが、部屋の中には誰も居ないようだ。
警戒しながら静かに部屋に侵入した彼女は部屋の奥に何かを見つけ目を細めた。
「…リオン様!」
ベッドの中に横たわるエメラルドの髪の少年。
彼の姿を目にすると傍に駆け寄り膝を折る。
「リオン、様……?」
目を隠すように包帯を巻かれた彼の名を呼び揺さぶると、彼は目を覚ましたのか微かに声をあげた。
「イース……?」
「はい、イースは此処に居ます」
身を起こしたリオンは左手でイースを探す。
宙をさ迷うその手を掴むと両手で握り締めた。
暗い視界に目元へと手を伸ばすと、包帯が巻かれているのに気づきイースに取ってくれないかと頼む。
彼の頼みに頷き巻かれた包帯を解く彼女は、露わになった彼の瞳を目にした瞬間驚きの表情を浮かべた。
目を見開く彼女の様子に首を傾げると、窓に映る自分の姿へと目をやった。
「これは……」
言葉を漏らし目元に手を伸ばすリオン。
窓ガラスに映る彼の瞳はグレー。
青と銅のオッドアイだったその瞳は色を失い、悲しそうな色をする。
何が起きたのか混乱するイースはリオンの左手に添えていた手に力が入り、彼の掌を力強く握り締めていた。
そんな彼女の頭にそっと右手を乗せ優しく撫でる。
ハッとして顔をあげると柔らかく微笑む彼と目が合う。
安心させるように微笑む彼だが、その笑顔はどこか悲しくて…
彼の左手を握るイースは胸を締め付けられ、彼にギュッと抱きついた。
胸の中に顔を埋める彼女は自分の非力さに唇を噛み、未だに彼女の頭を撫で続ける彼はとても悲しそうに遠くを見つめていた。

