ジーク、クレアと分かれたコウガ達3人。
暫く道なりに走った後、目的の場所にたどり着いた。
コウガは弾む息を整えると重い扉に手を伸ばしそっと押し開く。
きしむ音を響かせながら扉が開き、3人は静かに侵入する。
窓から陽の光が差し込み、塔の中を明るく照らす。
中央には頂上まで続く螺旋階段。
各階へと続くそれを見上げ感嘆の声をあげる。
観察するように辺りを見回していると、コツリと階段を降りて来る足音が耳に入ってきた。
顔を上げると、螺旋階段を降りる3人の姿が目に入る。
ローブを身に纏う3人の内、小柄な人物の顔がちらりと見えた。
女の子のようなかわいらしい顔立ちに青と銅のオッドアイ。
「リオン……?」
「…否、違う。リオンは……上だ」
フードから覗くその顔立ちはリオンそっくり。
しかしレオンは違うと首を振る。
ヒクヒクと鼻を動かし匂いを嗅ぐ彼はリオンは最上階に居ると言い、隣に立つイースの襟元を掴んだ。
「え……」
「さっさと救って来い!」
何をする気だとレオンを見上げるが、真意を訊く前に彼女の身体はふわりと宙に浮く。
軽い彼女を力の限り投げ飛ばすレオン。
狼の血を引く彼の人間離れした力で投げ飛ばされ、悲鳴を上げながら飛んでいくイース。
咄嗟に箒を手に取りしがみつくと、風を身に纏い頂上目掛けて飛んでいった。
「レオン、お前……」
少し乱暴ではないかと苦笑いするが、当の本人は親指を突き上げ胸を張る。
呆れて溜め息を吐くと、目の前にローブが舞い降りてきた。
巻き起こった強風に小柄な人物の身からローブが剥がれ落ちたのだ。
露わになった小柄な人物の素顔。
可愛らしい顔立ちにオッドアイ、髪はエメラルドではなく赤紫。
「シエン……」
彼女の名はシエン・ディアルド。
リオンの実の姉であり、彼のたった1人の家族。
彼女の瞳はグレーだった筈。
しかし今の彼女の瞳は青と銅。
彼女シエンは、リオンからその瞳を奪ったと言う事になる。

