Blood†Tear


1人座り込むクレアはコウガ達の姿が見えなくなるのを確認すると、何事もなかったように立ち上がり伸びをする。


一度ゆっくり深呼吸をすると、長い銀髪を風に靡かせながら意識を集中させるように目を閉じた。


暫く目を閉じ神経を研ぎ澄ませる彼女は何かに反応し、鎌を手にすると振り返りながら猛スピードでそれを振り下ろす。




 「なっ……!」


 「危ないなぁ」


瞬時の反応。
目にも留まらぬ速さで振り下ろした筈なのに、背後にいた人物は鎌の柄を掴みその攻撃を防ぐ。





 「何故貴方が此処に居る?」


攻撃を止められ不満を露わにするクレア。


彼女の鋭い瞳に映るのは、藍色の髪に紺の瞳、緊張感のない笑みを浮かべる男性、ジークである。



こんなふざけた相手に攻撃を交わされたのかと思うと腹が立つ。


クレアは鎌の柄を掴む彼の手を払いのけると、大事そうに鎌を撫でた。





 「何故戻って来たのか……愚問ですね。この人数、貴女1人で相手にするつもりですか?」


彼女の問いに鼻で笑うジーク。
先程までの笑みは消え、鋭い瞳で前方を睨み殺気を身に纏う。


異変に気づいたクレアも目を細め、辺りを見回しながら今の状況を把握する。




何時の間にか敵に囲まれていた2人。
数にして50。
武器を手に彼等は攻撃の時期を見定めていた。





 「この位、どうって事ない」


 「強がっちゃって」


クレアは鎌を握り、ジークは刀を構える。


2人は背中合わせに立ち戦闘態勢をとるが、彼等は周りを囲む大勢の敵ではなく、少し離れた所で様子を伺う白衣の男性と、屋根の上で待機する2人の少女の姿を見つめていた。