シェノーラを救う手助けをして欲しいと言われたコウガ。
レグルの頼みに断る理由はないと引き受けたコウガは、シェノーラと話をしようと彼女に会いに向かっていた。
屋敷に入ったコウガはカイリを先頭に目的の場所へと向かうのだが、中々先へ進めずにいた。
ローグがそろそろ帰って来る時間である為、兵士達は全員屋敷へ戻り、侍女達は慌ただしく廊下を走る。
何処を通ろうが誰かと出会しそうになり、先へ進む事が不可能なのだ。
どうしたものかと頭を悩ませていると、突然屋敷の中が騒がしくなった。
兵士達は廊下を走り、侍女達は部屋へ籠もる。
侵入者が出たと言う声を耳にし、バレてしまったかと慌てたが、兵士は全員外へ向かっていた。
何が起こったのか分からずそっと窓の外を眺めると、屋敷の庭では兵士達が2人の侵入者と対抗していた。
「……レオン、クレア……?」
ローブを羽織る2人はよく知る人物で、コウガは驚いていると2人は兵士達と争いだした。
決して武器は使わず大勢の兵士達と争う2人。
屋敷を自由に動けるようにと、囮になり兵士達の気を引いてくれた2人に感謝しながらコウガ達はシェノーラの元へと急ぐ。
2人の御陰で無事目的の場所まで辿り着いたコウガはカイリを残し部屋へと入る。
鉄格子の中に閉じ込められた彼女はコウガの存在に気づくと驚いていた。
一方コウガは痛々しい彼女の姿に顔を歪める。
「コウガさん……?」
何故貴方が此処にいるのか、そう彼女の顔は言っていた。
「君に伝えないといけないと思って」
「?」
「今、ジークがローグと戦ってる。君を護る為に、命を懸けて……」
コウガの言葉に目を見開いたシェノーラ。
ドクリと胸が騒ぎ、揺れる瞳が嘘だと言ってくれと訴える。
しかしこれは事実だと、真剣な面持ちで彼女を見つめ返した。

