灰色の厚い雲が空を覆う中、昼間の街中は他国から来た客や住民達で賑わっていた。
天候が崩れそうな為、店主は店先に並べた商品を片付けながら接客し、この国に訪れた客達は住民達と仲良く打ち解けていた。
空は暗く荒れているが、その空のしたのこの街中は明るく笑顔が溢れている。
そんな街中を浮かない顔で歩くジークは何度も住民に声をかけられていた。
考え事でもしているのか、ゆっくり何処かへ向かう彼の後を追うコウガ。
ふと前方へ目を向けると、ジークの進行方向に1人、大きな荷物を抱えた人物が彼から避けるように道の端へ移動していた。
ローブを羽織りフードを深く被るその人物、クレアはジークが横を通り過ぎるまで、抱えた荷物をギュッと掴み、威嚇するようにフードから覗く赤い瞳で彼を睨む。
何かしら彼女に突っかかるジーク。
こんな街中でフードでもめくられては困ると、彼女は裾を掴むと更に目深にフードを被った。
「………」
「……?」
警戒していた彼女だったが、そんな彼女の横を素通りして行くジーク。
自分に気づかなかったのだろうか、何もせず通り過ぎた彼に疑問を抱くクレアの隣をコウガも横切った。
怖い顔をしてぶつぶつと何か呟きながら歩くジーク。
そんな彼の後を追うようについて行くコウガ。
そんな2人の後ろ姿をジッと見つめ、クレアは首を傾げるのだった。

