碧の時間(とき)







お母さんの実家までは5時間はかかる。






いつもなら、ご飯を食べてテレビを見たら、あっという間に5時間なんて経ってしまうのに、この日は違った。






ご飯を食べていても、味がしなかった。






テレビを見ていても、頭には何も入ってこなかった。






ただただ、お母さんからの電話を待った。






お母さんからの電話が鳴ったのは夜もかなり遅くだった。






「うん、うん、あぁそうか。うん、うん…わかった」






眠い目を擦りながら、電話で相槌を打つお父さんを見ていた。






厳しい顔……してる。






おばあちゃん、良くないのかな?




……まさか、このまま会えなくなるなんてこと、ないよね?