――ドサッ……






私は持っていた小銭入れの入ったバッグを手から落とした。






嘘……。






だっておばあちゃん、冬休みに遊びに行った時、元気だったよ。






大好きな沢庵食べて、おじいちゃんに「食べ過ぎだ!」って怒られてたよ。






おばあちゃんは舌をペロって出して私を見てウィンクしてたんだよ。






「私も一緒に行く!」






心臓がバクバク言っている。






なんか、嫌な予感がした。






「いつまでおばあちゃんの所にいるかわからないの。夕貴はもう少ししたら学校が始まるでしょ」






そう言うとお母さんはバックを手に取り、ヒールを素早く履くと「じゃあ後はよろしくね。着いたら電話するから」…と言い、私の横をすり抜けて行ってしまった。