俺が普通に生きれなくなったのは
ひとつの事故がきっかけだ。


高1の冬。

いつも通り登校していた俺に
乗用車が突っ込んできた。




それは霜の出来るような
寒い朝の事で

空からは
雨まじりの雪が降っていて。


俺は片手にビニ傘を差して
大きな交差点を渡る所だった。



寒さに凍った道路のせいで
スリップを起こした車が
横断歩道へと突っ込んできた。





その中央にいた
俺を目掛けて。






突然視界に車が飛び込んできて、後のことは何も解らない。





手に持っていたビニ傘が
俺の体と一緒に跳ね上がり
跡形もなくなっていた。