恋のはじまり


「はい、どうぞ!」


近くの自販機で買ってきたジュースを差し出した私が言う。


「…どうも。」


強引に押し切った形にはなってしまったが、これでさっきのことはチャラだろう。そいうことにしとこう、うん。


「言っとくけど、これでチャラになったなんて思ったら大間違いだから。そこんとこ、よろしく。」


彼がにやっと笑って言う。

「めちゃくちゃ痛かったんだから!」




…彼はエスパーか何かだろうか。