恋のはじまり


「ほんとにほんとにごめんなさい!!飛ばすつもりはなかったんですけど…えっと、こう、つるっといっちゃいまして、ね!あははは…」


ごまかすように笑う私。

「つるっと、ねぇ。」

彼が少し不機嫌そうに言う。

「俺は確実に悪意を感じたけどね。」


うわ~。もういいとか言ってたけど、絶対まだ根に持ってるよこの人。どうしよ~。



「あっそうだ!のど乾いてません?のど。乾いてますよね?ね?」


「え、いや別に「ものすごーく、乾いてます、よね?」


彼の言葉を遮って満面の笑みで私は言う。


「…はい。」