いきなり後ろから聞こえた声に驚いた私は、思わず持っていた鞄を振り回す。 「うわっ、ちょっ!危ね!待て待て!怪しいやつじゃないから!」 「いや~!近寄らないで~!!おばけ~!」 気が動転している私の耳に、相手の声など全く届いていない。 「待てって!ちょっ、聞けよ!キミ、3組の蒼井さんだよね?俺のこと、知らない?」 「…へ??」 ばこっ!! その瞬間、私の鞄が何かに命中した。