秘密のニオイは禁断の恋

「もういいんだ…終わったから」


俺は溜め息交じりにそう言った


生徒に愚痴っても仕方ねぇしな


ハァ〜


頑張って貯金してたのに、もう必要ねぇんだよな


この時、俺の一瞬だけ見せた寂しげな顔を、竹下が気付いていたなんて知らなかった


「先生…すみません…先生だって辛いのに、私ばっかり悲劇のヒロインみたいになっちゃって…」


「皆、何かしらの悩みはあるさ…とにかく、月謝の心配はなくなったから、元気で学校生活、エンジョイしろ!」


「ありがとうございます…でも…私は先生に何をしたらいいですか?」