「もう、何ですぐに開けないの?」


「ごめん、ごめん、ごめん」


アキヒコの目から大粒の涙が流れた。


「え?私、そんなに怒ってないよ。大丈夫だよ」


「違うんだ……ごめん」


アキヒコの手には包丁が握られていた。


マナミが気付いた時には既に遅かった。


「アキヒコ……な、なんで……」

マナミの身体から包丁の柄が生えていた。


「ごめんマナミ、僕は人間の味方になれない」


「どういうこ……と……」


マナミは前のめりに倒れ、ビクン、ビクンと数回動くと、物言わぬ姿となった。


アキヒコは仲間を求め、家を飛び出した。





【完】