「で、なんのお仕置き?」

「なんで聞きたいの?」

「上司だから」


意味がわからん。

だいたい、そんな理由でなんでオレが自分のプライベートを昔の女にさらさにゃならんのだ。

アホらしい。


「かんけーない」


借りたライターで煙草に火をつけ、ライターを返す。

由莉香は目を細めオレを見ると。


「数字、間違ってましたわよ。

本宮くん」


一枚の書類を取り出して、オレの前でひらひら揺すって見せる。


「見積もり、やり直し」

「……すんません」


これは……ありえねー失態。


「完璧なあなたが崩れるとこっちも調子が狂うのよねぇ」


口元緩めて楽しそうに笑って言う台詞かよ、それ。