「オレ、相当鬼だよ?」
だって、おまえオレに『ライバル宣言』もしてるんだぜ?
「覚悟はできてますから!!」
目をキラキラさせてオレを見上げる松永君。
若いねぇ。
眩しいねぇ。
そう思うとオレ、おっさんだな。
だめだ、こんなんじゃ、10年後。
コイツに陽菜子かっさらわれかねない。
オレも気合い入れないとな。
「分かったよ。
その代り、今後80点以下なんて無様な点数取ることは許さないよ?」
オレの返事に松永君はさらに目を輝かせ
「ありがとうございます!!」
と言って、オレの手をちぎれんばかりに握りしめた。
「オレ、頑張ります!!
勉強も、大霜も!!」
悪意がない、真っすぐな宣言にオレはその手を握り返す。
握りつぶすくらいの勢いを持って。
「お手並み拝見させてもらおうじゃないの?」



