「で、なんでよりによって目標がK大なわけ?」
オレの目の前にいるのは陽菜子に言い寄っていたあのクソ坊主こと『松永裕也』。
大輔からこの松永君からとーっても大事な話があるらしいから、一度会ってやってくれと言われ
会社を定時で上がって学校に向かい
彼を捕まえたは良いけれど。
「あなたと同じ土俵に立ちたいからです」
会った途端、地面に頭こすりつけて土下座して『カテキョしてください!!』には正直度肝を抜かれた。
「だから、なんで?」
「大霜のこと、諦めきれないんですっ!!」
っていうか、ムダだと思うんだけど。
陽菜子、渡すつもりないし。
「ムダじゃね?」
そう言うのに、顔を上げた松永君の目がものすごく眩しくて。
あー、ダメだ。
オレ、そういうの、むっちゃ弱い。
なんつーのかな。
『男として必死になる』
っていうのかな。
そういうのを応援したくなるんだよな。
第一、こいつ見込みあるんだ、男として。
オレ、結構好きなタイプなんだ。
蹴られても蹴られても這い上ってくるクソ根性もったヤツ。



