「女の気持ち、よーく分かったでしょ?」
思い出すメールの数々。
確かに感心した。
先輩は女なんじゃないかと錯覚するほどに感心した覚えがある。
「それを元にあれこれイジワルな作戦思いついて実行してたんだよねー、本宮くん?」
悪魔がいる。
目の前に悪魔がいるよ、神様。
「なーるほどね」
でもね、そんなことでオレが『はい、そうですね』ってなると思ったら大間違いよ。
「確かにあのアドバイスの数々はとーっても役に立ったけど」
ニヤリ。
ほほ笑み返しする。
「オレに『昌史先輩』に『構ってもらえない』から『どうしたらいい?』って聞いたの、わーすれちゃってないよねぇ、『柏木さん』?」
目の前の悪魔から笑みが消える。
「……あんたって、ほーんと性格悪いわねっ」
「おまえほどじゃないと思いますけどね」
「いつかあんたの弱み、握ってやる!!」
「そーりゃ楽しみだ」
ひらひら手を振ってその場を後にする。
弱み?
オレにそんなものが出来るわけがない。
だって、今のオレ、最強だもん。
『好きな女GETした男は無敵だよ~』
なーんてね。



