「黙って出した方がいいと思うわよ」


いや、だから意味がわかりませんけど。


「誰のおかげで陽菜子ちゃんと上手くいったのかしらん?」


いや、誰のおかげでこじれたと思ってるんだよ。


「おまえのせいでこじれたんだけど」

「じゃ、言ってもいいのね?」

「なにを?」


なにか言われてヤバいことなんかあったっけ?

いや、ないなぁ。

そういうボロ、オレ出したつもりないし?


「あらー、そう?

じゃ、あなたから貰ったメール、転送しちゃおうかしら?」

「メール?」

「あら、忘れてるのぉ?」


由莉香は底意地の悪い笑みを湛えオレを見つめる。

待て。
待て。
待てよ?


メール?
メール。


「メールッッッ!!」


オレは思いっきり腰かけている椅子から立ち上がった。

血圧急降下。