思わず笑ってしまった。
なんだかなー。
あんなに重たかった口なのに。
今は簡単にその言葉をくれるんだな。
『好き』のバーゲンセールかよ。
いや、そんなに安いもんじゃないけど、貰えるならいくらだって欲しい。
オレ、ものすっごい貪欲男。
「寝てないと、熱、あがるぞ」
「うん……」
くすぐったい気持ちを押し隠し
オレはそう大人ぶってみる。
カワイイ彼女の寝息が耳元に聞こえると
オレは一人彼女に向かって話しかけていた。
「起きたら覚えてろよ」
我慢は終わり。
大人の男の本気をその全身で受け止めてもらうからな。
甘い体温を感じながら
ただそんなことばかりを考えていた。