「ものすっごくウザいわよ」
そう言って目の前の女は一気にカップの中のコーヒーを飲み干して見せた。
「あんたのその顔、ものすっごくウザい」
「うるせーな。
オレだってこんな顔したくねーよ」
目の前の女同様、オレの前にあったコーヒーを一気に飲み干す。
その途端、あまりの苦さにむせ込んだオレに
目の前の女は酷く冷たい視線を送ってくる。
「ばか?」
「は?」
「だから、ばか?」
「シメられたいの、おまえ?」
そう言うオレに柏木由莉香は眉間にこれでもかって言うほど深いしわを刻みこみ
オレを睨みつけた。
「ここ会社。
私、あんたの一応上司だけど?」
「……すんませんね」
「よろしい」
由莉香はニッコリ、勝ち誇った顔をして見せた。