イジワルなカテキョ ~その距離なくしてもいい?~


オレが歩くたびに
陽菜子の足がぶらり、ぶらりと力なく揺れる。

大丈夫かなとか。
苦しいかなとか。

やっぱり無理させなければよかったかなとか。

そういった思いも考えも頭の中を横切っては消えていく。


「もうすぐだからな」


起きているのか、いないのか。

なんとなく、陽菜子が起きたような気配がしてオレはそう声を掛けていた。


「ん……」


やっぱり起きたらしい。

頭を上げようとするから、即座に「寝てろ」と言ってしまった。


「熱が9度近いんだ。無理するな」


これ以上無理するな。
これ以上オレのために無理するな。

もう十分だ。
もう十分分かったから。

だからもういい。

あとはオレの出番。

オレがおまえを守る。
オレがおまえを全力で守る。

だから安心してオレの背中におまえの体温を預けてくれればいい。


「好き……」


このタイミングでそれ言っちゃう、陽菜子ちゃん?