陽菜子を抱き上げ、オレは隣にいた坊主に向き合った。
「やれるよな?」
この後、騒ぎになるだろうことは目に見えてわかることだ。
そんなオレの問いかけに、目の前の坊主は大きく頷いた。
「大霜を保健室へ。
あなたは大霜だけ見ていてください」
強い
本当に力強い目と言葉だった。
言ってくれるじゃない。
「じゃ、お手並み拝見させてもらおうか?」
ニヤリ。
根性あるヤツは大好きだよ。
「どうぞ」
ニヤリ。
いい顔するねぇ、磨けば光る原石ってやつ?
それとも若さゆえかねぇ。
いや、頼もしい。
「じゃ、お言葉に甘えて」
拳と拳を交わした後、オレは背中を向けた。



