ダメだなんて言わせないよ。
拒否るのなんて許さないよ。
オレはおまえがどうしても欲しい。
貪欲で
遠慮がなくて
大人という立場も
隣の優しいお兄さんという立ち位置も
家庭教師という環境も
フル動員しておまえを手に入れたいほどに
愛しさは降り積もったんだよ。
固まったまま動かないおまえの腕をにぎり
そっと引き寄せる。
逃がさない。
逃がさない。
逃げても逃がさない。
「大丈夫。優しくするよ」
甘い囁きはいかが?
おまえの心をくすぐるほどには甘いだろう?
小さく頷いたおまえの唇にキスを落とした初めての夏。