陽菜子と接触しないまま。
っていうか、オレは物陰からがっつり見守っていたけれど。
いやいや、ストーカーじゃない。
断じて違う。
一日目は幕を下ろした。
「ほんとに素直じゃないねー、にーちゃんは」
オレの部屋に転がり込んで、オレの部屋にあるCDを思いっきり物色しながら大輔は言った。
「にーちゃんがヒナに好きって言えばすむことじゃん」
「それじゃぁ、面白くないだろうが。
恋はいかにその過程を楽しむかにあるのだよ、大輔君」
そう。
恋は過程をたのしまなくちゃねー。
心に残る。
心が震える。
振り返って、『ああ、なんて素敵な恋をしたのだろう』と思うことは『キレイになる』ことへの第一歩でもある。
オレはあいつをキレイにしたい。
並んで歩いて自慢してやりたい。
だから、念入りに。
練りに練って、胸のド真ん中打ち抜くような球を投げたいんだよ。
「ヒナ、こんな人のどこがいいんだろうね」
「全部じゃない?」
「その自信、どっから来るの?
大嫌いって言われたってこの間まですっげー凹んでたくせに」
それ、言うかね、大ちゃん?



