もし会いにきてくれたら、もう離さない




「あれ?さっちゃん、だよね?」




スーパーで話しかけてきた男の人に見覚えがなくて、通り過ぎようとしたら、大好きな名前が聞こえた。



「ま、覚えてなくても仕方ないか、俺、恭介の友達。」





ただ名前を聞いただけなのに、涙が出そうになる。





「いや〜、やっぱ可愛くなったね。こりゃ恭介がメロメロなのもわかる。」



「…冗談言わないでください。」



「はは、ごめん、でも冗談でもないっていうか、この間みんなでからかって、悪いことしたなって思ってさ。アイツ、もう向こう戻ったの?」




コクリと頷くと、恭ちゃんの友達は、バツの悪そうな顔で、話し始めた。




「アイツの財布に貼ってあるプリクラ、みんなで茶化してからかったんだ。そしたらアイツ、すげぇ怒っちゃって…。」



「…それは…、私が貼ってってお願いしたから…。剥がすの忘れてただけだと思います。」



いつもそうだった。

何だかんだ言っても、恭ちゃんは優しいから、私のわがままを受け入れてくれる。


特別な意味なんてないんだ。


それが、恭ちゃんの迷惑になるなんて知りもせずに。