もし会いにきてくれたら、もう離さない


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今年一番の暑さだって、お母さんが言っていた。


一歩歩くたびに『あちぃあちぃ』って言っていた恭ちゃんを思い出す。


修が野球頑張ってるって、お父さんが褒めていた。


おばさんも鼻が高いようで、修の試合のほとんどに顔を出してる。



時間だけがゆっくりと過ぎていく。



ベッドに寝転んで、光る四つ葉を上にかざした。


ここに恭ちゃんがいたことが夢みたいに思える。





「紗智、ダラダラしてるんだったら、買い物行ってきてちょうだい!」



「…あちぃ。」



「暑いのは誰もおんなじ!」



「田舎だから暑いんだよ。」



「変なことばっか言ってないで、さっさと行く。」





買い物バッグを持たされて、追い出された。




照りつける太陽に負けそうになる。




何もないのどかなこの景色が、隣を歩いた大好きな横顔を思い出させて、王様がいなくなった私の世界が色あせていく。