ブーッ――
「みんな笑顔だなぁ。」
私は信号止まった車の中から、朝の風景を見ていた。
「んん?」
あの後ろ姿は…
「止めなさい。」
私…何言ってるんだろ。
「え?」
「ここから歩って行きます。」
ガチャ、バンッ。
何、してるんだろ。
分かってる。
目的は、アイツだから。

「ち、ちょっと!」
……。
え、シカト?
「赤枝海月!」
「ん?あぁ、大城さん、おはよ。」
「お、おはよう…」
…私、朝から、変です。
アイツに会うと調子狂うし。
「あなた!昨日私に何したか覚えてるの!?」
い、言った!
私は勇気を振り絞って言ったつもりなのに、
「クスッ」
そお笑われた気がした。
「??」
「行かないの、大城さん?遅刻、するよ。」
な、なんで、アイツなんかに言われなきゃいけないの?
「い、行くわよ!」
アイツを抜かして行くはずだったのに…