「――ッ…お嬢様!お嬢様!」 葵に肩を揺すられた。 「っ、なんだ葵。」 「お嬢様、何かありましたか?帰ってきてからずっとぼーっとしていますけど?」 「な、何もない。」 「そうですか。でわ、おやすみなさいませ。」 「ん。」 はぁ…ダメ。 あれから、アイツの顔しか浮かばない。 何よ、あのギャップ。 地味男だったのに、あんなに弱っちぃヤツだったのに!! ん――――!!! 何なのよ。