この光景を千晃が見ていたなんて、思いもしなかった。


でも、ちょっと嬉しかった。

千晃が俺のために流してくれた涙。


……俺、ちゃんと千晃の好きな奴なんだな。




――――――

「せーとーちゃんっ♪」

休み時間。

なぜか違うクラスの

「……西島」

俺の嫌いな奴、第2号。

『瀬戸ちゃん』とか、嫌味にしか聞こえない。

「んな怖い顔すんなよっ♪可愛い顔が台無し!!」


……キモイ。


「……何?」

「千晃ちゃんと、上手くいってんの?」

完璧なスマイル。

裏の……。