「何してんのかって聞いてんだよっ!!」


俺の声は街中に響いた。

そこら中の人が俺らに注目した。


けどそんなこと気にしてられなかった。


「ごめん…翔ちゃ……」

「こいつ元カレだろ?
なんで一緒にいんだよ」

「それは…」


口を堅く閉ざす沙南。

その時。


「お前沙南の彼氏?」


一緒にいた男が口を開いた。


「そうだよ。
てめぇ、なんで沙南といんだよ」


睨みつけながら言うと、

含み笑いをしながら男は言った。


「じゃあお前知ってんだろ?
沙南は俺のことが好きなんだよ」

「…っ」


沙南は俺と付き合う前に、この男と付き合っていた。

しかし、突然男が沙南の前から姿を消した。


それからずっと沙南はこの男を想っていた。

俺はそれを承知で沙南と付き合うことにしたんだ。

沙南が大好きだったから。