部屋に小さな沈黙が流れる。 「…ねぇ、あなたはこれからどうするの?」 「どうするって?」 「ほら。身の代金の要求とかするんじゃないの?誘拐って。」 「そっか。身の代金か。僕、電話って苦手なんだよね。緊張するなぁ。」 「あはははは。あなたってすごく変わってる。」 私はそう言って笑った。 「そうかな。君もだいぶ変わってると思うけど。」 その人はそう言って少しばつが悪そうに微笑んだ。