ハケンSORRY!

「今朝の朝刊は見ました?」
渡辺はさぞ、それが当たり前の行為のように西田に語り掛ける。

「総理がマザコンでアダルトビデオを観た、この事が世界中に発信されました。」
「はあ…。」

「まあ、座ってください。」
コンコン…。
「失礼します。」
ドアが開き、美人秘書がコーヒーを2杯分運んできた。
中身はネスカフェではなかろう。もちろん、ブレンディーでもなかろう。
もちろん…、早い話がインスタントではあるまい。

「失礼しました。」
美人秘書去る。
「どうです?あの娘綺麗でしょう?」
「はあ。」

「ああ見えてもSM好きなんです。」
政財界の大物がSMクラブによなよな通い、ムチ打ってもらう話は聞いたことがある。
新しいスパルタ教育か。

「さて、冗談はさておき…。西田さん煙草吸う?ここは禁煙なんですけど、あなたは特別ですよ。」

コーヒーカップに口をつける。
100円ライターと一服with1mg、プハーッ。
うーん、マンダム。

「これは内緒ですよ。」
「は、はい。」
西田は自分が特別待遇されていることが心地よくもあり、落ち着かない気分でもあった。
こういう場に慣れていないのだ。

「もうひとつ内緒にしてもらいたいことがあります。ここからが本題なんですが…。」
西田は二本目の煙草に火をつけようとしたが、ライターがなかなか点かなかった。