ハケンSORRY!

「総理、アダルトビデオを観ていたって話は本当ですか。」
「私も独り身なのでね…、うっかり、ついね。」

「うっかりで済む話でしょうか。」
「うーん、今後は充分気をつけて…。」

「総理がロリコンという話は本当ですか。」
「若い娘は嫌いじゃないが…、私はロリコンではなく、マザコンだと思います。」

カシャ、カシャ!

当たるフラッシュライト。
禿げた総理の頭。


行きつけの定食屋で朝のワイドショーを観ていた。

「アダルトビデオの一本ぐらいよさそうなもんだかねえ。」
定食屋の主人はひまそうにカウンター越しにぼやく。

「内閣支持率はついに10%台まで落ち込み、さらに政局は流動化の様相を呈してきました。
さらにこのマザコン発言はニューヨークタイムス誌など…。」

どうでもいいが、ここのテレビは写りが悪い。
尚且つ、チャンネルは未だに、手で回すかなりレトロな一品である。

「おじさん、値上げしないの?」
「そりゃあ、したいけどしたら、客いなくなっちまうだでねぇ。」

このところ、原油の高騰により、軒並み食料品も値上がりしている。
こんな小さい定食屋にも、グローバルな影響は及ぼされる。
小さければ小さいほど。

「えーっと、1バレルはいくらだっけ?1バレル、1バレル…、AVバレルと。これ、いただき。」

「以上、首相官邸よりお送り致しました。」