ドキドキが止まらない私。



ついに聞いちゃったよー!



ギュッと手で拳をつくり握り締めた。




「東高の佐々木爽麻(ササキソウマ)だよ。」




そう言ってまたハニかんだ彼。




「爽麻君か。あ、私は、双葉高の牧野美紗!!」




「うん、知ってる。」




そう言ってニッコリ笑った爽麻君。




「え?知ってるって……?」




「あ、ううん。何でもないよ。気にしないで!!」




ちょっと顔を赤く染めて焦るように否定した。




「あ、う、うん。」




思わず私も焦るように答えてしまった。



そんな時、駅に着きアナウンスが入る。



あーあ、


もう着いちゃったよ。




「じゃ、またね。美紗ちゃん。」




み、み、美紗ちゃん!?



名前で呼んでくれた!



そんな些細なことで舞い上がる私。




「うん、またね!」




私はついニヤけが止まらなくて無邪気な笑顔で言った。