「う、裏切り者ー!」




まさか姫が……、


と私はわんわん泣く真似をする。




「ごめん、ごめん。でもね、でもね、考えてみて!その彼と付き合えたらどう?」




「つ、つ、付き合う!?」




私は悲鳴に似た声を出す。




「なんて声出してんのよ。恋するって事は最終的の目標は付き合う事でしょ?」




紫音はケラケラ笑って私をバカにした。




「紫音の言うとおりだよ。ね、もう見てるだけの恋は終わりにしよう?」




姫は優しく問いかける。




「私もね、修哉と付き合うなんて考えてもいなかった。でも、修哉に告白されて付き合いだして……そしたら毎日がキラキラ輝きだしたんだ。私、美紗にもそういう気持ち分かってほしい。体験してほしい。せっかく恋したんだもん!」




「姫……。」




そうだよね、


私は手にぐっと力を入れた。




「私、頑張ってみる。」




小さな声で囁いた私。



どっとクラスの中が拍手で包まれる。




「さすが美紗!」




「頑張れー、応援するよ!」




歓声がわく中で


私は頑張ろう、ともう1度決意して


笑顔を見せた。